投資用マンション(築26年)
専有面積:39.60㎡
工事費:264万円(税込)
工事工期:30日
水回り交換、マンションフルリフォーム
埼玉県で賃貸マンションを管理するNさんは、オーナー様に部屋のリフォームを提案しました。見積もりを取って検討し、資材センターに依頼を決定。予算、工期ともに限られた中でも、こだわりの細部が詰まったリフォームです。
今回のリフォームを決められた理由は?
ここは分譲の一戸建ても多く、静かな住宅地。その反面、駅からは徒歩14分と少し距離があるため、次の入居者が決まるまで時間がかかることが多くなってきました。
そこで、築年数が経つにつれ、古く感じられるようになった箇所をアップデートして貸し出すことを提案しました。
一番重視したのはどのような点でしょう?
40㎡弱の床面積をより広く感じさせることです。キッチンや洋室の暗色の床を明るいフロアタイルに張り替え、壁やクローゼットの扉は白で統一しました。
和室を洋室にしたうえで、窓枠や引き戸のレール、長押なども白に変更。明るくすることでかなり視覚的に広がりを感じるようになりました。
棚付きのクローゼットが使いやすそうですね。
ええ、ここは押し入れだったんです。ここをどうするかは悩みました。取り払ってキッチンと和室をつなげ、一部屋にすることも考えました。賃貸では2DKより1LDKの方が人気が高いですから。でも、それだと収納が、もう一つの洋室の小さなクローゼットだけになってしまう。オーナー様とも相談の結果、やはりこの場所に収納は必要ということになりました。
押し入れには奥行きがあります。そこで、左側にデスクとして使える高さのボードを渡しました。一段高くなっていたレールを床と同じ高さにして、椅子を置けるようにしたので、ワークスペースとして使えます。また、壁に可動棚を付けているので、引き戸を閉めれば収納としても使用可能。入居する方の生活に合わせた使い方ができるよう考えました。右側にはハンガーパイプをつけ、その上に枕棚も設置しました。
もう一つのクローゼットには枕棚はないのですが、これは予算上の苦渋の決断。賃貸物件なので、予算内で収めることもとても重要なんです。
制限のある中で、最善の結果を求めてリフォーム箇所を決めるのですね。
そうなんです。オーナー様の予算内で、どれだけ魅力的な部屋を提供できるかが大事なんです。
最終的な目標は、理想的な部屋に仕上げ、工事完了後、早期に契約を結ぶこと。工事費用が高すぎて家賃相場より高くなっては本末転倒です。そのため、部分的に既存設備を残し、入居者様のニーズがあると思われ、なおかつ費用対効果が高い箇所を重点的にリフォームしていくことになりました。
他に気に入っているリフォーム箇所はありますか?
クローゼットの角型のハンドルと、ワークスペースの引き戸の取っ手ですね。どちらも黒にしてメリハリをつけました。白とグレーの壁、ベージュの床をきりっと引き締めています。
アクセントクロスは、個人のお宅なら個性的な柄や色を選定すると思うのですが、年齢層や性別の違う人たちにも心地良く感じていただけるよう、グレーを選択しました。トイレの壁と床も、無難すぎず、冒険しすぎない、ちょうど良い色と柄をチョイスしたつもりです。
洋室の床材も検討を重ねて採用しました。賃貸でよく使われているのはクッションフロア。張替えが簡単で価格も手頃なので、賃貸にはぴったりです。でもこのリフォームでは、もう少し高級感のあるものにしたかったんです。かと言ってフローリングでは予算オーバーでした。今回は、見た目も質感も良くてフローリングほど高価ではない、フロアタイルを採用。住宅ではあまり施工例がなかったので、商業施設に使われていると聞けばそこに行って床の色をチェックしたりしました。サンプルは小さすぎて、グラデーションや地模様のある床材だと部屋全体に貼ったところが想像しづらいんです。
苦労した点は?
1~3月は賃貸物件の繁忙期で、この時期にリフォームを終えて募集することが必須です。だから、壁のクロスにしても、取り替える設備にしても、短期間に決めてすぐ発注しないといけません。悩んでいる時間がないのは辛かったです。
それに、本当は収納内にデスク用の照明をつけたかったし、カーテンレールも換えたかった。でも、それをやっていると大きなリフォームができなくなってしまいます。目につきにくい所は犠牲にしても、使いやすく目立つ部分はしっかりリフォームする方向で今回は進めました。限られた空間と予算をどう配分するか、そこを考えるのに苦労しました。
資材センターとの仕事はどうでしたか?
実は他で見積もりを依頼したんですが、高くて頼めなかったんです。そこで上司から、最近リフォーム工事の依頼体制ができた資材センターを紹介されました。見積もりを取り、ここなら施工できるとお願いしたんです。担当の方は、賃貸だからこその予算があるということを的確に理解してくれていました。オーナー様のために素敵な部屋を適正価格で用意したいという私の気持ちを共有してくれたことが、何と言ってもうれしかったです。最終目的のため、同じ方向を向いて仕事ができました。キッチンのガステーブルが予定と違うタイプだと契約直前に気付いた時も、親身に対応してくれました。玄関収納の扉の色も、アクセント色を入れてみては、というアドバイスをいただいて決めたんです。
2月上旬にリフォーム完成という短い工期。これで収められたのも、担当の方のおかげです。見積もりの段階から工期が進む都度、現場に指示を出していただき、無事、繁忙期に入居募集をすることができました。資材センターの方の仕事にかける熱意には感動です。
入居者はきまったのでしょうか??
うれしいことに、新婚のご夫婦が契約して下さいました。ネットで部屋の写真を見て来ていただいたんです。正直、費用をかけてリフォームしたのに入居者が現れなかったらどうしようと不安に思っていたので、決めていただけて本当にうれしく思いました。心を込めてリフォームした部屋を気に入って使っていただけたらいいな。
オーナー、入居者双方に喜んでもらえたら幸せです。